2019雛祭りと例会の報告です。

 百五十年以上も前に、川合小梅さん一家が親しく交流していた日導上人ゆかりの正住寺さまに今年もご協力いただき、第十回の雛祭りの集いを開くことができました。

 小梅さんの描いた「立雛図」には桃の花が遇われ、あいにくの曇天でしたがそこだけ暖かな春の光に包まれているようです。

 いつものように川合梅所・小梅夫妻のご供養、および当会やご参加の皆様の安寧・活躍を祈って下さる中井ご住職による法要の後、「観音さま」についてのお話しを伺いました。 我々自身が持つ様々な悩みをお救いくださるために、観音さまのお姿にはバリエーションがあること、そして「三十三」という数が色々なところでキーワードになっていること教えて頂きました。変化したお姿の観音さまの前に立ったときは今日のことを思い出して「ああ、この観音さまは私をすくい上げようとしてくださっている」「心やすらぐよう導いてくださっている」などと感じながら、ちゃんとお姿を拝見したいと思います。

 続いて永廣禎夫先生にご登壇いただき、今年は『小梅日記』に登場する和歌のうち、明治期のものについてご講演いただきました。残っている日記の明治といいますと明治九年。小梅さんは既に七十歳台になっています。時局を詠むことから、だんだんと家族や近しい人のことが多くなっていると分析されました。また日記では感情などをほとんど綴らず淡々と日々を記録しているのに比して、短歌からは小梅さんの心が読み取れると教えて頂きました。 

 分類された歌を昨年と同じように皆で詠じながら、楽しませていただきました。題が与えられて詠む歌、「折句」という人の名などを五七五七七の頭にもってくるパズルのような歌、一つの言葉に二つ以上の意味を掛けて、詠む歌など、昨年も感じたことですが、たいへん知的な遊びといえましょう。先生にご指摘いただいて、初めて気づく裏の意味! とても楽しく拝聴しました。

 最後に小梅さんの夫である梅所の追善会についての記事が『小梅日記』第三巻に付録として収録されていますが、その中の和歌三首を挙げられ、いい歌だと紹介してくださいました。その記事(もとは新聞記事)に書かれている小梅の様子や小梅の言葉も素晴らしいので、是非お手元に『小梅日記』をお持ちの方はご一読ください。

 初めてこのブログをご覧になって小梅さんの和歌についてご興味持たれた方は、昨年の雛祭りのブログもどうぞごらんくださいね。正住寺さんや先生のお話しから小梅のお母さんについて少し書いております。

           

 本堂裏手の墓所に植えられている、塩竃桜、まだまだつぼみは固そうですが、今年も一段と大きくなったところを拝見できました。

 降雨が懸念された中、なんとか空の機嫌を損ねず散会でき、運営側一同、ほっとしております。またの機会に皆様とご一緒できますことを、楽しみにしております。

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 さかのぼって2月27日(水)、2月例会と総会を行いました。

主な議題は昨日の雛祭りのことで、勉強会はお休みでした。

総会では、役員の改選が決議され、新しい年度の取り組みについて、皆で話し合いました。イベントの詳細が決まりましたら、随時こちらでご紹介しますので、ご参加よろしくおねがいいたします。また昨夏、小学生の方を対象に開きました川合小梅や「小梅日記」についてのお話し会、ご要望がありましたら当会から出前教室をさせていただきます。地域の敬老会や子供会などの企画にいかがでしょうか? 

 

 3月最終週は改装のため例会会場が使えません。3月例会は休み、次回は4月に例会を行います。勉強会では絵本の嘉永七年「大地震」のところを取り上げます。平凡社 東洋文庫『小梅日記』には収録されていないところですので、絵本『小梅さんの日記』に加えて『小梅日記』をもっと知りたいな、という方にオススメの内容です。入会はもちろん、見学のかたも大歓迎ですので、どうぞご参加下さい。 

      4月24日(水)  13:30~

      NPO・ボランティアサロン(フォルテワジマ6階)にて

 

 だんだんと気温が上がってきました。晴れた日は嬉しいですが、アレルギーをお持ちの方には黄信号の季節ですね。みなさまどうぞ用心の上、お元気でお過ごし下さい。